ディフェンシブ銘柄とは?該当する業界と注目企業を徹底解説

景気変動に左右されにくく、安定した収益が期待できる「ディフェンシブ銘柄」。

どんな銘柄を指すのか、なぜ安定的なのか、投資初心者の方にもわかりやすく解説します。

食品や日用品、通信業界など、私たちの生活に密着した業界を中心に、具体的な銘柄もご紹介します。

ディフェンシブ銘柄とは?

ディフェンシブ銘柄とは、業績が景気の変動によって左右されにくい銘柄のことを指します。

株価の変動も比較的少ない傾向があるため、安心して長期で保有できる銘柄が多いのが特徴です。

株価が大きく動きにくいので、不景気の状況下でも資産の減少を防ぐことができます。

ディフェンシブ銘柄に該当する業界・企業

ディフェンシブ銘柄に該当する業界と企業を紹介します。

食品

食品業界は、不況に強いディフェンシブ銘柄の代表格の業界です。

どんなに景気が悪くても人間はお腹がすくので、不景気の状況下でも安定して稼ぐことができるのが特徴です。

食品業界の注目銘柄

食品銘柄の注目銘柄は、下記のとおりです。

JT

JTというとたばこの会社のイメージがありますが、食品銘柄のグループに属しています。

テーブルマークの冷凍うどんは、JTのグループ企業で行なっている事業です。

株価が比較的安定しているうえに、配当利回りも高いので食品銘柄の中でも注目されています。

下記のとおり、過去5年でも安定的に成長を続けています。

引用:日本経済新聞 【花王】[4452]チャート | 日経電子版

2024年11月1日大引け時点での配当利回りは、4.7%です。

引用:Yahooファイナンス JTの株価・株式情報

日用品

日用品業界は、洗剤やトイレットペーパー、シャンプーなど生活に欠かせない商品を扱っており、景気の影響を受けにくいのが特徴です。

これらの商品は、景気が良くても悪くても必ず必要になるので、安定した収益性を見込めます。

日用品業界の注目銘柄

日用品業界の注目銘柄を紹介します。

花王

花王は、洗剤や化粧品、おむつなど生活必需品を幅広く扱っている日用品メーカーです。

コロナウイルスが流行り始めたタイミングから株価が下落していますが、2023年を超えたタイミングから上昇しています。

引用:日本経済新聞 【花王】[4452]チャート | 日経電子版

また配当金は、2023年までに34期連続で増配をしており、この期間保有していた人は、毎年配当金が自動的に増額され続けています。

引用:花王 花王の株主になるメリット

今年2024年も増配の告知が出ており、予想通り分配されれば35期連続での増配となります。

既に2024年6月の中間配当で76円が分配されており、予定通り12月の期末配当76円が分配されれば、2024年の分配実績が152円となり、2023年より2円増配となります。

通信

インターネットや電話、モバイル通信などのサービスを行なっている通信業界もディフェンシブ銘柄に属しています。

個人向けに提供しているモバイル通信回線の事業では、毎月継続して収入が入ってくるので、安定性が抜群です。

景気の良し悪しにかかわらずスマートフォンは生活に必要なものなので、業績が大きく落ち込む可能性も極めて低いでしょう。

通信業界の注目銘柄

通信業界の注目銘柄を紹介します。

KDDI

KDDIは、ドコモの次の第2の携帯キャリアであるauの会社です。

モバイル通信事業は、契約しているユーザーから回線利用料が毎月入ってくるので安定しています。

コロナウイルスの流行が始まった2020年以降も株価は、上昇の傾向です。

引用:日本経済新聞 【KDDI】[9433]チャート | 日経電子版

また配当金は、22期連続で増配しており2025年3月期の期末配当が予定通り分配されれば23期連続での増配となります。

引用:KDDI 配当情報 | 株式・格付け情報 | KDDI株式会社

ディフェンシブ銘柄の投資に向いている人

ディフェンシブ銘柄の投資に向いている人は、下記のとおりです。

配当狙いの人

配当狙いの人は、ディフェンシブ銘柄の保有に向いています。

ディフェンシブ銘柄は、株価の上下が比較的少ないので、長期でもっておくのも安心です。

長期で持っておくことで配当金が自動的に入ってくるので、配当金狙いの人はディフェンシブ銘柄に投資することを検討してみるといいでしょう。

投資初心者の人

投資をはじめたばかりで、これから個別株投資に挑戦する人にもおすすめです。

ディフェンシブ銘柄は、株価の変動が少ないので大きく損失を出してしまう可能性が極めて低いです。

個別株投資になれるという意味で、まずはディフェンシブ銘柄に投資してみるのもありだと思います。

不景気の状況下でもポートフォリオを安定させたい人

ディフェンシブ銘柄は、不景気の状況下でも株価が安定しやすいのが特徴です。

長期投資のポートフォリオにディフェンシブ銘柄を組み込むことで、景気が悪くなった時でも含み損を抑えることができます。

高配当株を持ちつつ、ディフェンシブ銘柄も組み込んでいくことで自分の資産の減少を防ぐことができるでしょう。

ディフェンシブ銘柄の投資に向いていない人

ディフェンシブ銘柄の投資に向いていない人は、下記のとおりです。

キャピタルゲインを大きく狙いたい人

キャピタルゲインを大きく狙いたいという人には、ディフェンシブ銘柄の投資に向いていません。

キャピタルゲインとは、株の売却益のことを指します。

株価の変動が少なく、大きく稼ぐことができないためキャピタルゲインで稼ぎたい人には向いていません。

高配当銘柄だけを狙っている人

高配当銘柄だけ狙っているという人は、ディフェンシブ銘柄は向いていません。

JTなど、配当利回り4%を超える銘柄も一部ありますが、比較的配当は低めの銘柄が多いです。

ディフェンシブ銘柄に属している企業の配当利回りをチェックしたい人は、こちらから確認してみてください。

仮に配当目的の人でも高配当銘柄を持ちつつ、ディフェンシブ銘柄にも投資することで不況の時でも保有株式の時価総額をあんていさせることができます。

ディフェンシブ銘柄投資で成果を出すには?

ディフェンシブ銘柄投資で成果を出すための方法は、下記のとおりです。

長期投資が基本路線

ディフェンシブ銘柄の投資で成果を出すための基本路線は、長期投資です。

長く保有して配当金を受け取りながら、コツコツ資産を増やしていきましょう。

基本的に株価の変動が小さい傾向にあるので、デイトレードなどキャピタルゲイン目的の取引には不向きです。

大きく下げた時に仕込む

ディフェンシブ銘柄でも大きく株価を下げるときがあるので、そのタイミングで仕込むことができると大きな利益を獲得することができます。

例えば、今年8月の日銀による利上げ発表があったときには、多くの銘柄の株価が暴落しました。

今回の記事で紹介しているJTも下記のように株価が大きく下落しました。

JTの悪材料が発表されたことが原因の下落ではないので、徐々に株価も回復していることが分かります。

こうした外的要因による下落の場合には、思い切って購入するのもありです。

しかし、悪材料による下落ではないかはきちんと確認するようにしましょう。

まとめ

本記事では、景気の変動に左右されにくく、安定した収益が期待できるディフェンシブ銘柄について解説しました。

食品、日用品、通信などの業界が中心であり、日々の生活に不可欠な製品やサービスを提供している企業が該当します。

そしてこれらの企業は、景気後退期でも安定的な収益を確保しやすく、長期投資家から人気を集めています。

ディフェンシブ銘柄への投資は、ポートフォリオ全体の安定化に貢献し、長期的な資産形成を目指す上で有効な手段の一つと言えるでしょう。

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